やがてやってきた蒲郡署のパトカーと救急車だった。
そのころには他の参拝者が集まって、騒々しかった。
　救急隊がすでに死んでいるのを確認した。

蒲郡署の蒲郡署の鈴江警部と長富部長刑事以下の捜査員は周囲を隔離し、遺留物の捜索を行った。そして血の付いた石ころを見つけた。どうやらこれが凶器らしい。
　第一発見者の老人家族にも事情聴取を行ったが、彼らは単なる発見者だ。特に何もなかった。 

　蒲郡署では徹底的に捜査した。死んでいたのは四十歳くらいの男性。所持品は何もなかった。免許証も携帯も財布も、その他身元を判明させる所持品はなかった。きっと犯人が持ち去ったのだろう。
　検視の結果、鈍器で殴られ、その後絞殺されたようだ。死後一週間程度らしい。
こんなところへやってくるには車しかない。この辺りには監視カメラもない。蒲郡署では近隣の市にも範囲を広げて監視カメラをあたった。レンタカーも徹底的に洗った。
しかし、男の姿は何処にもなかった。
捜査は行き詰った。
愛知県警とも相談し、警察庁を通じ、顔写真、指紋を照会するのが精いっぱいだった。
こうして事件は行き詰ってしまった。