この先、しばらくするとバイパスに戻る。その先でトンネルを越えると、途中の部落だ。ここも鯖街道の宿場の一つらしいが、何にもない。静かな集落が広がっている。でも、静かで落ち着いていて、気持ちいいね。
　ここから真っすぐ、朽木宿へと向かう。

　この先、京都に別れを告げ、近江路となる。そして九十九折の路を進むと、若狭街道最大の難所である花折峠と出会う。現在は隧道が作られ、標高が５００メートルになっているが、旧街道である峠道（標高５９１ｍ）は今も現存しており、長距離自然歩道のひとつである近畿自然歩道「鯖街道・花折峠のみち」コースの一部となっている。
　でも、今の朝見には旧道を行く余裕はない。
　どんどん走る。朽木の宿場に近づくと、鯖寿司の店がある。もう、とっくにお昼は過ぎている。　よし、行ってみよう。朽木旭屋とあった。うまいね、この鯖寿司は。蕎麦もうまい。最高だね。すっかり堪能した朝見だった。
　さあ、朽木宿に着いたよ。これで鯖街道のルポは終了したんだ。いろんなことがあった。江藤女史との遭遇もそうだ。
　東京に帰ったら、池袋の本多氏の事件を少し調べてみよう。
　そう決心した朝見だった。