捜査が一段落して岡部警視が言った。

「みなさん、ご苦労さんでした。一応、この二件の捜査は終了しました。みなさん、ご苦労さんでした。ここにはいませんが、朝見さんからの資料が大きな転機でした。
　下関署の片桐刑事、ご苦労さんでした。下関での車の捜査から井上の素性が判明したのが、大きな転機でした。ご苦労様でした」

　片桐刑事が言う。
「いえいえ、私は何にもしてません。総ては下関で会った朝見さんのおかげです。
もしよければ、下関に帰る前に朝見さんにお礼に行こうと思いますが」
「いいですね、私も同行しましょう」

　翌日、岡部警視と片桐刑事は上中里の平塚神社へ行った。
　そこで朝見と逢うのだ。
　片桐刑事が深々と頭を下げた。

「朝見さん、ありがとうございました。下関の事件も赤羽署の事件もすべて片付きました。下関で朝見さんにお会いしたのが嬉しかったです。本当にありがとうございました。
きょうは岡部さんと一緒にお礼に参りました。
本当にありがとうございました」

　岡部警視が言う。

「朝見さん、ありがとうございました。うまく事件は解決しました。しかし、事件の解決につながった滝田さんの資料はどこからなんでしょう。すごく興味がありますが」

「いやいや、事件の解決は皆さんの努力の賜物です。まあ、平塚亭で団子でも食べましょう」