２　　合同捜査本部の再捜査

　合同捜査本部で話を聞いた赤羽署の毛利巡査部長はほっとした。朝見さんの情報か。それなら問題ないだろう。身元が不明のままでは捜査のしようがない。

池袋署の長谷川刑事とともに、池袋の大沢建設の本社へと行く。

大沢建設には確かに滝田という社員が在籍していた。すでに退職していたが。古い記録を探してもらって、滝田の資料を提供してもらった。
写真から見ると荒川の水死体は滝田に間違いなかった。
彼は独身で、彼の両親はすでに他界しており、故郷には親戚もいないとのことだった。
在籍時の上司の営業部長にも事情を聴いたが、特に問題となる社員ではなかった。逆に、なぜ退職するようになったのか、不審に思うとのことだった。
東亜設備の土井社長、山下とは仕事上の付き合いがあったことはわかった。
しかし、井上なる人物には心当たりがないとのことだった。
　住んでいたワンルームマンションはすでに解約されていた。管理会社に頼んで空き部屋になっている部屋を調べたが、何もない。
　赤羽署では近隣の監視カメラを徹底的に洗った。

　それしか捜査の方法がない。