２　　情報が届く

　門司港レトロ、下関、小倉のルポから帰った朝見は、しばらくルポのまとめに専念した。思っていたよりいいルポだった。苦労してまとめたルポを日本紀行へ持参するのだった。
「編集長、やっとルポがまとまりました。思ってた以上にいいところでしたよ。まあ、一度読んでみてください」
　パラパラとルポを捲った黒川編集長が言った。
「やあ、いいね。門司港レトロってこんなにいいとは思わなかった。ありがとう。また、何か頼むよ」

　日本紀行から帰り道、朝見は久しぶりに平塚亭に寄った。
だんごを食べ、おばちゃんと雑談し、母親にお土産を買って帰った。
　しばらくのんびりできるかなと思って。
　帰って、母親に団子を渡す。

「あら、珍しいわ、充彦がお土産買ってくるなんて。あ、そうそう、速達が届いてるわよ。下関署から。また、なんかしでかしたの？」
「なにもしてないですよ」と言いながら見ると、下関署の片桐刑事からだった。

　部屋へ戻って開封する。
　片桐刑事が小倉と下関で調査した結果だった。
――署ではこれ以上の捜査は出来ませんでした。とりあえず情報を送ります。この三人が下関の事件に関与していると思います。偽造免許の写真からこの男の正体がわかれば、事件の捜査が進むと思います。よろしく――

　とあった。

　よし、明日にでも池袋署へ行ってみよう。
　そう考えたとき、朝見の携帯が鳴った。

　日本紀行の黒川編集長からだった