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　滝田から話を聞いた山下は仰天した。まさか、下関に行ったことがバレているとは？
でも、本当だろうか。
専務の死は一応事故死になったが、疑問点はたくさん残っている。警察が継続捜査をやっていないとは限らない。
　それとも、専務の子飼いの部下で死に疑問を感じて憶測したのか？　土井社長は新選組の関連だから疑問に思うのは当然だが。
でも、山下や井上のことはどうしてわかったのか？　誰かが自分らのことを調査したんだろう

　とにかく、山下は土井社長に報告することにした。
　翌日、土井社長にコンタクトを取った。
「社長、ちょっとお時間いいですか？　困ったことが起きてまして。下関の件なんですが」
「うん？　下関の件だって！　どういうことだ、あれはとっくに終わったことだぞ」
「ええ、私もそう思ってたんですが。大沢建設の滝田さんから、呼び出されて、新しい仕事の話があったんです。そのあと、社長と私と井上さんの話を持ちだされて。三人の関係と下関へ行ったことを知ってるみたいな話でした。私は全てを否定しましたが、どうやら、事情を知っているような雰囲気でした」

――そしてやましたは、滝田と会った時のことを総て土井社長にはなしたのだった――