専務は本当に事故死だったのだろうか。お酒が好きだったのは、ふぐが好きだったのは確かだが、本当にそうなんだろうか。
　彼、滝田は納得できず、社内や、下請けの会社等の事情を見守るのだった。専務の話はテープに収録してある。聞くたびに焦燥感が高まるのだった。

　そして、下請けの東亜設備の状況が目についた。
土井社長の態度がおかしい。なんかおかしい。
　そういえば、土井社長の先祖が新選組だったって噂を聞いたことがある。
　少し、調べてみよう。
　興信所を使って、専務が下関に行った日の土井社長の行動を調べてみた。
でも、よくわからない。興信所の調査も限度がある。
　東亜設備の東京事務所は池袋にある。社長と数人の事務員だけだ。
社長は当日の朝、東京駅にいたことだけはわかった。
それ以上はわからない。

　彼は、自分の疑問をまとめてパソコンにまとめた。いつか、役立つことを祈って。
　でも、これ以上、どうしよう。警察に相談しても、証拠は何もない。
どうしよう。どうしたらいいんだろう。