エピローグ

　こうして事件は解決した。

朝見は末次に連絡して、事件の解決を報告したのだった。
平塚亭へ誘って、饅頭を頬張りながら報告した。
「末次さん、友恵さんの事件は解決しました。総てはあなたから頂いた友恵さんの書類から事が進んだんです」
「ありがとう、朝見さん。解決してありがとう。友恵さんも浮かばれるでしょう。
実は私、友恵さんの生前、一度木曽路を来るように招待されてたんです。いちど、寝覚めの床と巴が淵へ行って供養したいわ。朝見さん、連れてってくださいな」
「いいですよ。じゃ、明日にでも行きましょうか。早い方がいいですね」 

　そうして末次と木曽路へ行くのだった。

新幹線で名古屋へ、そこから特急に乗り換えて木曽福島駅へ行く。着いたのは１２：３０頃だ。ここからレンタカーを借りて、まず、義仲館へ行く。ここで義仲と巴御前の碑に頭を下げ、巴が淵へ行く。
　巴が淵で、末次は深々と頭を下げ、橋の上から花束を投げ入れ、友恵の冥福を祈るのだった。
　うしろで末次の姿を見守っていた朝見の肩を叩く者がいた。

「やあ、朝見さん、巴御前の霊を慰めにやってきましたね。彼女が巴御前のお友達ですか」
　竹村警部だった。