運転しながら大崎が言った。
「二人ともねむってますよ。これからどうします」
「うん、かれらには、これ以上、何にもさせない。この先に巴御前が泳いでいたという巴淵がある。そこで、川の中に落とそう。男は寝覚めの床で。眠ってるが運がよければ命は助かるだろう。運が悪ければ死ぬだろう。まあ、彼らの運しだいだな」

　夜になって周囲は真っ暗だ。おまけに雨も降りだした。
これ幸い、誰にも気づかれないだろう。しばらく走って、巴淵についた。ふたりは友恵を担いで連れ出し、橋から投げ落としたのだった。
　そして、しばらく走る。

　前田幸一と並んで座っていた河合が気づいた。
幸一がうめき声を出して動き始めたのだ。どうやら目覚めたのか。
「おい、大崎君、車を止めて」
　うごめく幸一の後から首を絞める。大崎と二人で攻められ、幸一は息を引き取った。
「しょうがないな。とにかく寝覚めの床へ行こう」
　そして、近くの橋の上から川へ突き落したのだった。
　とにかく、すべて終わった。

　二人はそのまま、東京へ戻ったのだった。