翌、水曜日、善光寺近くの駐車場へ。そこから善光寺へと行く。そこで幸一、友恵夫妻を待つのだ。
山門に着いた。正面にはお決まりの仁王さんが二体いる。裏には七福神の像があった。
へえ、珍しいね。石畳の参道を通って、善光寺と額がある門の前に着いた。石畳は七七七枚あるという。右手に地蔵さんが六体。さらに大きい地蔵さんが一体。計七体の地蔵さんがある。
　六体は六地蔵なんだそうな。京都に伝わる六地蔵とは少し謂れが違うようだ。大きな地蔵さんは濡れ仏というらしい。八百屋お七の冥福を祈っているとのことだ。ここで友恵を待つのだ。
　本堂に入る。土足でもいいのだ。内部の拝観には拝観料が必要だという。それがなくてもいいお寺だ。数人の僧侶が読経の真っ最中だ。線香の香りが花をつく。左側の出口から出ると大きな三重塔がある。戊辰戦争以降の戦死者を祀ってあるらしい。
　ちょっとうろうろして六地蔵へ戻る。 

　友恵夫妻は水曜日の朝、上松駅から宮ノ越駅へ行くのだった。ここには義仲館がある。自分は巴御前なのだ。少し、義仲の力が欲しい。
　義仲館と近くの一族の遺構をめぐって塩尻駅へ行き、そこから特急で長野市へと向かった。
　そこから善光寺へと歩く。
　ああ、この道を父が歩いてたんだ。
　六地蔵がある。
その前に二人の男がきょろきょろしながら手持無沙汰な様子でうろうろしている。
ああ、彼らが河合さんと大崎さんにちがいない。