竹村と別れて寝覚めの床へと向かう朝見だったが、心の中は連続殺人で一杯だった。
こんな観光名所で一杯のところで事件を起こすなんて、どんな連中なんだろう。
とにかく寝覚めの床へ行こう。竹村警部との話で時間を取られてしまった。

巴淵からＲ１９へ出て途中、狭い道に入る。一キロほど走ると、旗挙八幡宮へ着いた。
ここは治承４年（１１８０）、義仲が以仁王の命令を受けて、平家追討の旗挙げをしたときに、この境内で戦勝祈願をしたことから旗挙八幡宮と呼ばれている。
拝殿脇にそびえる大ケヤキは樹齢千年で、幹の周囲は１０ｍを超え、日本の古木の一つに数えられている。
すごいケヤキだが半分は枯れて折れ、半分が生き残っている。
近くに二代目のケヤキもあった。旗挙八幡宮といってもトタン屋根の宮社があるだけ。赤い鳥居が残っているだけでした。
ここでふと山を見ると大文字があった。京の大文字そっくりに山の斜面に大の字がある。ちょっと威厳がないが大文字には違いない。