４　　竹村警部の苦悩

どうやら事件の奥底はここ木曽にはないのだろう。東京での事情が要因なのではないか？
そう考えた竹村は、以前からの知り合いの警視庁の岡部警視に相談することにした。
さっそく、警視庁の岡部警視に電話した。
「岡部さん、長野県警の竹村です。お久しぶりです。ちょっとご相談したいことがあるんですが、お時間いただけませんか？」
「やあ、竹村さん、お久しぶり。お元気ですか？　どういうご用件でしょう？　明日なら午後から身体を空けれますが。いかがですか？」
「ああ、ありがとうございます。じゃ、明日、午後一時頃、お伺いします。事情はその時にお話しします。じゃ、明日、よろしく」

　翌日、竹村は木下刑事を伴って警視庁へ行くのだった。

　新幹線の車中で、竹村は木下に話すのだった。
「この事件、君はどう思う？　なんかとてつもない事件に思えるんだが」
「そうですね。でも、なんで警視庁へ？　事件は長野県なんですが？」
「うん、そうだ。でも、事件の遠因はどうも東京にあるような気がするんだ。詳細はわからないけどね。とにかく、事情を話して岡部さんに手伝ってもらおうと思うんだ」