エピローグ

　紫式部と小野篁と閻魔大王の絡んだ事件は解決した。
事件の解決にほっとする朝見だった。今回の事件、いったい何をしたんだろう。
京都で栗原さんに会って事件について聞いたのは確かだ。
でも、いったい、自分は何をしたんだろう。データのやりとりをしただけじゃないか。
まあ、いいか、事件が解決したんだから。

でも、なんでいつもこんなに事件に遭遇するんだろう。
もう、ルポの仕事なんかやめようか。ルポが事件を呼ぶのか、事件がルポを呼ぶのか、まあ、どっちかなんだろう。
　それはそうと、紫式部と小野篁と閻魔大王の関係をルポしないと、黒川編集長に約束したからな。
　京都に七つもあるラヂオ塔や源頼政と鵺の話も興味がある。 

　関係者として桜田美和と安部社長も事情聴取を受けたが、何のこともなかった。
　京都の新聞社の栗原記者にも報告をしなくちゃならない。
　よし、来週、また、京都へ行こう。

――完――

　　　　　あとがき
まったく京都っていうところは今でも怨霊が棲んでいるのか。
こんな話ばっかりあるよ。着想はよかったのだが、話をまとめるのに苦労した。
牛若丸の話が、紫式部や小野篁、閻魔大王とどう繋がるんだい。
次は何の話にしよう。

　多分、木曽路の話になるだろう。 

ここで過去の作品を紹介しておきます。
01　文殊の呪い
02　鯖街道の女
03　因幡の白兎
04　四万十川の若鮎
05　天城峠の妖精
06　南洋の悲劇
07　白鳥が飛び立つ
08　仙酔島からの風
09　殉国七士の祟り