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　京都府警では徹底的に洗った。

　紫式部の墓での自殺事件の日、水野かおりと岸部、神崎が京都に来たことはわかった。二条城や清明神社にもいたことが分かった。
　清明神社からどう行動したかはよくわからない。夕方、鴨川のほとりにいたことはわかった。
　紫式部の墓の周囲には監視カメラはなかった。
　しかし、翌日の朝、ふたりが新幹線に乗って東京へ戻ったことはわかった。 

　神崎が十王堂で事故死した日の夕方、神崎が岩倉駅にいたことはわかった。そこから十王堂へ向かったことも。近くのコンビニでカップ酒を買って飲んでいたことも。
　そして夜遅い時間に、岩倉駅に岸部が現れたことも分かった。大泉も一緒だった。彼らは人通りのない道を監視カメラを避けながら歩いていた。
　夜遅く、十王堂の近くを歩く神崎と岸部の姿も確認された。 

　これらの情報は警視庁へもたらされた。

警視庁では二人に任意同行を求めた。
　ふたりは驚きながら任意同行に応じた。

　翌日やってきた平山警部補と捜査員と共に取り調べを行った。 

　京都での行動の事実を突きつけられた二人だった。頑固に否定する大泉に対して、岸部はあっさりと自供した。
　実行動は岸部だった。かれは大泉から指示されていたのだ。
　これで、事件は解決した。 

　岡部警視から朝見の携帯に電話が入った。
「朝見さん、事件はすべて解決しましたよ。ありがとう。お礼に伺いたいんですが、いつものように平塚亭でどうでしょう。明日、午後一番で平塚神社でお待ちしてます。京都府警の平山さんといっしょに」
「わかりました。あす、行きます」