朝見充彦事件簿(11)
紫式部を追う

                 

 (21)

 次の日、駅前でレンタカーを借りて出発した。
 鴨川沿いの川端通りを走り、三条京阪で右折、三条通を走る。蹴上を過ぎ、昨日の九条通りを走る。いい道だね、昔はここを電車が走っていたらしいが、今は地下鉄になっている。

 九条坂を下った先に旧東海道があるんだ。でも、狭い道で走るような道じゃないらしい。
諦めて広い道を走る。でも、一度歩いてみたいなあ。

 今日の目的地は京都薬大のグランドの一角にあるんだ。京都薬大を過ぎ、五条別れの交差点を右折、もう一つの薬大南校舎の前を右折する。ちょっと先にグランドがある。
近くに駐車してグランドに行く。
ここには義経腰掛岩と血洗い池があるんだ。
蹴上で平家の武士と戦った後、ここまで逃げて、休憩したところなんだ。グランドの建物から出てきた管理人と思しきおじさんに聞く。
 薬大の薬草園の中に岩がある。義経腰掛岩と標識がある。そうか、ここで休憩したのか。少し前に小さな池がある。これが血洗い池かな?
 おじさんに聞くとどうも違う。本当の池はいまは小さな公園になってるらしい。
残念。
 そしてこのあたりの地名は血洗町っていうらしい。
 おじさんに礼を言って、近くを散策する。確かに地名は御陵血洗町となっている。
 そうか、歴史があるんだな。でも、変な名前だよ。
住んでる人ってどんな気持ちなんだろう。
血洗い池は公園になっている。まえに小さな祠がある。これしか残っていない。

 続く