第十一話　紫式部を追って

背景：現代の紫式部と言われる女流作家の作品で、源氏物語のモデルとされたある財界人は業務に支障が出ると困惑していた。何とかしなければと、反社会的な部下の一人に行動を命令する。

現場:紫式部の墓、十王堂、牛若丸の誕生井、千本えんま堂

女流作家は紫式部の墓の前で、光源氏のモデルは閻魔大王が裁判官をした岩倉の十王堂で死んだ。いずれも小野篁が絡んでいる。

　その頃、朝見は蹴上の地名の謂れを探るべく、牛若丸の跡を追って、京都から野洲へとルポしていた。そこへ京都の新聞の栗原女史から電話。二つの事件に疑問をもったのだ。府警の平山警部と会う。東京に戻った朝見は、週刊マンデーで桜田美和とあう。彼女もモデルの一人だった。十王堂で死んだ男から期日指定の郵便が届いていた。それは遺書というか、事件の経緯を記していた。

岡部警視と相談した朝見だった。警視庁と京都府警の徹底した捜査で事件は解決した。