免許証の住所へ行ってみると、そこは喪中だった。どうやら、三田の母親が急死して、前の日に葬式があったようだ。
遺族に事情聴取すると、三田は、現在は東京にいたらしい。どこかで仕事をしていたらしい。そして母親の急死を聞いて、あわてて帰省したようだ。
しかし、住民票等はそのままだった。遺族も東京というだけで詳しいことは知らなかった。
住民票もそのままということは、たぶん、アルバイト的な仕事だったのだろう。
　しかし、連絡がついたということは、たぶん携帯電話くらいは持っていただろう。
それがないということは、持ち去られたか、はねられたときに落としたか？
　再度、現場を踏査したが、見当たらない。
　とりあえず、県警を通じて、警視庁に行方不明者の捜索を依頼するのだった。 

　この事件は三ヶ根山の事件の二週間ほど後だった。