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　翌日、鈴江警部と長富部長刑事は警視庁へと向かった。
警視庁では岡部警視が待っていた。
「蒲郡署の鈴江と長富です。よろしくお願いします」
「お待ちしてました。勝手がわからないでしょうから、とりあえず池袋署へ案内しましょう。そこで事情を聴いてください」
岡部警視自ら池袋署へと案内した。

池袋署では堀越警部、長谷川部長刑事が待っていた。
挨拶がすんで、鈴江警部が三ヶ根山での事件の概要を説明した。
「身元がわからず、困っていたんですよ。やっと、身元がわかったようなので、これから捜査が進むのを期待しています」
　堀越警部が状況を説明した。
「でも、特に何もないんですよ。単に、痴漢と間違われたというだけで、我々としても、被害者のことは何にもわからないんですよ。当時、取り調べた長谷川君から説明させましょう」
長谷川部長刑事が説明した。
「そうなんですよ。わかっているのは、ある電子機器メーカーに勤めているというだけなんです。痴漢の捜査の時に、勤務先を聴き、参考に指紋の採取を行っただけなんです。それだけなんです。痴漢だと言った女性の資料はあるんですが、消息はわかりません。ただ、彼が勤務していた会社は近くにあります。とりあえず、そこへ行って事情を聴きましょうか？」
　まあ、それしかできることはなかった。
　鈴江警部と長富部長刑事は、長谷川部長刑事の案内で、電子機器メーカーの東京支店に向かった。