警視庁捜査一課は原宿署と協力して、下請け・孫請けをさぐることにした。
　しかし、Ｇ建設にもＲ工業にも議員秘書にも不審な金の流れはない。さらに深く掘り下げるのだった。Ｇ建設の下請け企業も調べた。その結果、各工事で下請け企業は様々なのだが、孫請けとしてある個人企業がいつも存在していることが判った。　
その孫請け企業を調べると、不審な点があった。仕事の内容にくらべて異常に多額の受注をしているのだ。そして、Ｒ工業の川上とも親しいようだった。よくＲ工業に出入りしているのだ。 

　原宿署では、大下の自殺事件の時の周囲の監視カメラを再度調査した。
　その結果、宮本は明治神宮会館での出入りが確認された。そこでの会議に出席していたのだ。しかし、神宮会館から離れた様子はない。会議の出席者に確認しても会館に来る時から帰るまで仲間と一緒だった。
　特に怪しい節はない。Ｒ工業の川上も写っていない。
　さらに進めていくと、あの孫請けの男が神宮内を歩いているのが確認された。
　しかし、大下と接触した形跡はない。自殺に使った青酸カリの入手先のメッキ工場の再捜査もした。そこでも孫請けの男の出入りが確認された。
　いよいよ、怪しい。しかし、証拠がない。

　警視庁からの依頼で福山西警察署でも監視カメラの再調査を実施するのだった。
　その結果、仙酔島の事件の日、鞆の浦をうろつく孫請けの男がいたことがわかった。
　ここでもＧ建設、Ｒ工業との関係が確認された。
　福山西署ではさらに捜査を進めたのだった。
　その結果、山下女史が仙酔島に行ったその日、対岸の鞆の浦港に孫請けの男と地元の議員秘書がボートに乗りこむのが確認された。そうか、議員秘書も関係しているのか。