翌日、朝見は警視庁の岡部警視のもとを訪ねた。

「岡部さん、お久しぶりです。ちょっとお願いがあってきました」
「ああ、朝見さん、こんどはなんですか？」
「いや、この間、明治神宮で自殺した事件のことを調べてほしいんです。確か、原宿署の管轄だと思いますが、原宿署には知り合いがいないんで。岡部さんに頼みたいんです」
「なるほど、自殺事件のことは知ってます。朝見さんがそういうからには何か事情があるんでしょう。いいですよ、再調査させましょう。具体的には何か策がありますか？」
「いや、実はこれは口止めされてるんですが、自殺した人はＧ建設の社員だったんです。ここからＲ工業を通じてある代議士に違法な献金が流れているんです。Ｇ建設の下請け、孫請けか何かが絡んでると思うんです」
「ああ、お兄さんからの情報ですか。わかりました。Ｇ工業の下請けを徹底的に調べましょう。特捜とも話をしなければ。少し時間をください」