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　野上女史は話を聞いてびっくりした。山本さんの手助けをしてあげたい。でも、こんな話で警察に行くわけにもいくまい。

　その時、野上女史の頭に、朝見充彦のことが浮かんだ。北区の有名人だ。ルポライターの傍ら、探偵まがいのことに手を出して、事件解決に貢献しているのだ。

　野上女史は朝見と接触しようと考えた。たしか、朝見は彼女の高校の先輩だ。彼女の先輩が高校の文芸部で朝見と一緒だったと聞いている。彼女は北区に住んでいる。

　彼女を伝手で接触できないかな、と考えるのだった。