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　しかし、こんな不正義なことがいつまでも続くわけがない。
　彼らの身辺に風が吹きかけていた。 

　ある日、秘書の宮本が川上のＲ工業を訪れた。
「川上君、ちょっと相談があるんだが。人払いしてくれないか」
　誰も来ないように手配して川上と宮本は応接室で話すのだった。
「実はね、われわれのことがバレてるみたいなんだよ。この前、読日新聞の政治部の記者から議員先生への献金の件で聞かれたんだよ。このままだと我々は破滅だ。直接責任はなくても議員先生にも影響があるだろう。下手すりゃ、議員辞職になるかもね」
「そりゃ、大変だ。でも、政治献金自体は合法的だろ。われわれの利益は別として。でも、なんでバレたんだい。慎重にやってるのに」
「どうも、Ｇ建設からみたいなんだ。一番利益を上げてるのがＧ建設なんだけどね」
「そうか、Ｇ建設か。しかしＧ建設で実情を知ってるのはほとんどいないがな。ああ、そうか、営業の大下か。かれなら知ってるだろう。でも、個人的に利益を与えてるけどな」
「そうそう、大下とか言ってたな。どうも彼が検察にほのめかしたみたいなんだ。どうしたらいいだろうね」
「うーん、どうしよう。とにかく最初は大下の口をふさがないとならないな。でも、彼一人だけなんだろうか。知ってるか疑惑を抱いてるのがもっといるんじゃないかな。もっと調べる必要があるな。そうか、彼が言ってたな。経理から締め上げられてるって」
「わかった、じゃ、川上君、ちょっと調べてくれたまえ。それから大下の口をふさぐ方法も。必要なら、僕の知り合いの応援を出すよ。いろんな人脈があるからね」
「うーん、とりあえずＧ建設に頼んで、営業担当を変えてもらおう。大下はとりあえず、われわれとの間から除去しよう」