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　Ｇ建設は公共事業をたくさん受注していた。会社としては堅実で、確かな会社であった。しかし、そうたくさんの利益を出していたわけではない。それがあるときからたくさんの利益を出すようになったのだった。
　きっかけは営業部長の出身地のある代議士秘書の宮本の斡旋だった。発注者である国や地方公共団体の積算価格を教えてもらったことだった。
　その見返りとして代議士への政治献金が義務づけられていた。しかし、それは秘書を通じて行われ、その一部は秘書の横領することとなったのだ。
　一度は味を占めたのだが、あまりこんなことをするといつかは破局になりかねない。
　かれ、川上部長はいったん退社してＲ工業なる会社を設立した。
　そこを拠点に、代議士秘書の宮本から情報を得て、公共事業を受注することにしたのだ。
　そして、ほとんどの情報をＧ建設へ、一部の情報をその他の建設会社に売ったのだ。直接のやり取りはない。Ｇ建設の孫請けからＲ工業へと資金が流れるのだ。