通報を受けて原宿警察署神宮前交番からすぐ警官がやって来た。原宿署からもパトカーがやってきた。
　救急隊員は倒れていた男は、既に死亡していることを確認した。
　死因は青酸カリ中毒だった。
　かたわらにあった呑み残しの缶コーヒーから毒物が検出されたのだ。
　原宿署では入手先も当たった。
　その結果、男が時々出入りしていたメッキ工場から青酸カリの盗難届が出ていた。
　原宿署では捜査を開始した。
　第一発見者の二人から、事情聴取した。
　近くの監視カメラにもあたった。
　死んだ男の所持品から身元が判明した。
　男は　公共事業をたくさん受注している中堅のＧ建設という会社の営業担当だった。
　監視カメラには一人で歩く男の姿が映っていた。同伴者はいない模様だった。
　内ポケットからは一通のメモが発見された。そこには 

　ーーご迷惑をかけました。お許しくださいーーと会った。 

　知らせを受けてやって来た男の家族は号泣したが、メモに心当たりはないというのだった。
　勤務先も当たったが、特に異常は認められなかった。
　私生活でも勤務上でも悩んでいるふうには見えなかった。
　その結果、原宿署では自殺事件として処理し、事件は迷宮入りとなってしまった。