やって来た二人を前にして、堀越が話すのだった。

「やあ、朝見さん、高田さん、よくいらっしゃいました。お二人には今度の事件で、ちょっとご協力いただきたいと思いまして。危険がないとは言いませんが、よろしくお願いしたいんですよ。この話には警視庁の岡部警視にも話してあります。ぜひ、よろしく｣

　そうして二人に計画を話すのだった。

　――週末、高田さんの身に何らかの事件が起きそうだということ。
　丸井社長がなんか事を起こそうとしているらしいということ。
　と言って、今逮捕するような証拠はないということ。
　現行犯で逮捕するしかないということ。
　高田さんには発信機を身につけてほしいということ。
　朝見さんには、情報提供者として協力してほしいということ。
　二人には身辺警護のため刑事を尾行させるということ――

　話を聞いてすこし驚いた二人だった。
　高田が言うのだった。
「ああ、私もそんな気がします。
実は金曜日の夜、井田から呑みに行こうって誘われてるんです。手が離せないと言って岸田という男から電話があったんです。きっとそれですね。どうしようかと思ってたんですが、わかりました、協力します。わたしに出来ることは何でもします」