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　週明け、池袋署の捜査は急速に進んだ。
　文士村のビルには、丸井企画なる会社が存在していた。
　丸井企画は半分非合法な業務で利益を上げているようだ。時折、暴力団らしい男が出入りしているらしい。
　丸井企画の経営状況、資産状況、その他を調べると、どう見ても、非合法的な資産の動きが目立つのだった。お抱えの運転手の若い男は、岸田といった。かって、池袋近辺で活動していたチンピラだった。
　丸井社長は八王子の出身だ。そこではけっこう名の売れたワルだったようだ。その時の仲間に井田がいることが判った。
　二人は少し年が離れているが、当時から仲良かったようだ。
　一人は高校卒業後、実業界へ。一人は裏の世界へと行ったのだ。
　その後、どこかで出会ったのだろう。

　井田の身辺を洗った池袋署だった。高田と一緒に行ったスナックは彼がよく通っていた。そこのスナックの影の経営者は丸井だった。
　彼らの身辺を洗った池袋署では、何か重大なことが進展しているようだと、確信を持ったのだった。今度の週末が怪しい。

　堀越はある計画を立てた。　
　水曜日の夕方、堀越は朝見と高田の二人を池袋署へ呼んだのだった。　何の話だろうと訝りながら池袋署の前で落ち合った朝見と高田だった。
「高田さん、実は、送っていただいた資料は、堀越さんに渡したんです。どうも、高田さんに危険が迫っているような気がしましてね。前もって連絡すればよかったんですが」
「そうだったんですか、それは構いませんが、今日は何なんでしょう」
「私が思うに、きっと、捜査に何らかの進展があったんだと思いますよ」
「そうだといいんですが。実は朝見さん、私、今年度末で、学校を辞めて、鳥羽へ帰ることにしたんです。田舎で人生をやり直します」
「そうですか、ああ、それがいいでしょうね。とにかく堀越さんのところへ行って見ますか」