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　伊良湖で井田の口封じをした丸井は、岸田と次なる高田をどうしようかと考えるのだった。

「よし、井田の名前を使って、金曜日あたり、飲みに誘ってくれ。この前行ったスナックへ誘きよせ、車で連れだそう。そうだな、染井霊園あたりで脅しつけよう」 

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　日本武尊の故事、朝熊山詣で、伊勢神宮参拝、二見浦散策から帰って、ルポの執筆にいそしんでいた朝見のもとに、一通の手紙が届いた。
　やあ、アンコール・ワットで会った高田さんからだ。
　彼、元気にしてるのかなと懐かしみながら封を切って一読した朝見の顔色が変わった。
　これは、大変な事態だ。
　これは放置できない。
　手紙によれば、受け子は池袋署に逮捕されたらしい。高田さんも池袋署で事情を聴かれたとある。
　急がねば！　朝見は直ぐにソアラを駆って池袋署へと行った。

　受付で
「捜査課の堀越警部さん、いらっしゃいますか？　私、朝見と言います。大至急、お会いしたいんですが」
　やがてやって来た堀越警部だった。警視庁捜査一課の岡部警視も一緒だった。
「やあ、朝見さん、お久しぶりですね。どうかしましたか？　ちょうどいま、本庁の岡部警視が来てましてね」
　岡部警視は鳥羽での殺人事件の三重県警からの捜査協力依頼を持参してきたのだ。
「やあ、朝見さん、お久しぶりです。じゃ、私はこれで帰ります。堀越さん、三重県警の件はよろしく」
　そういって岡部警視は帰っていった。