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　受け子が逮捕されて以来、井田はいろいろと考えるのだった。時々一緒に飲んでいた高田のことだった。受け子は鳥羽の高田の母親のところへ行った男だ。その線から、受け子と高田の母親の線が割れたに違いない。
　時々、顔を合わす高田の雰囲気がおかしい。情報を流したのが井田だと感づいたのかな。これは気をつけねばならない。
　詐欺グループと自分の関係を知ったのかもしれない。
　どうやら、高田は自分に疑惑を持っているらしい。このまえから、なんか自分の周囲をさぐっている人物がいるようだった。
　詐欺グループの元締めの丸井の裏の人脈から高田のことを探ると、どうやら、興信所の調査があったみたいだ。ということはこの元締めのことも知れているに違いない。

　井田と丸井は昔からの顔なじみだった。一人は反社会的な行動に埋没し、一人は一会社員として正道を歩き、真反対の道を歩いてきたのだ。
　丸井は反社会的勢力として詐欺を働き、井田はその手伝いをしていた。受け子を捜すのも井田の仕事だった。
　詐欺の対象を捜すのは丸井の仕事だったが、ある日、井田が、高田の話をした時、のって来たのだ。
　田舎で一人暮らし、資産もありそう、子どもは東京で一人暮らし、格好の標的だったのだ。