第五章　　　事件発生 

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　朝熊山で発見されたのは。東京に住んでいた井田健司という会社員だった。
　死因は絞殺みたいだった。死亡推定日時は二日ほど前らしい。
一人の犯行じゃないな、これは。おまけに、こんなところに死体を遺棄をするとは。車以外にくる方法はないよ。

鳥羽署での捜査の結果、被害者は東京・池袋に住んでいる。ここまでどうしてきたのか、誰と来たのか、監視カメラを徹底的に洗った。その結果、二日ほど前に不審な一台のレンタカーが捜査線上に浮かんだ。運転手ともう一人乗っていた。

　豊橋市内で借りた車だった。借りた男は岸田という男だった。免許証から判明した男の身元を洗った鳥羽署だったが、どうも偽造の免許証らしい。大阪の住所だった。大阪府警の協力で調べたが、そこには誰も住んでいなかった。

　車の線からの捜査は行き詰った。

　被害者は東京・池袋に住んでいる。
鳥羽署の土田部長刑事は、この前、オレオレ詐欺の件で池袋署で打ち合わせをしたことがある。
　捜査本部として、井田の件で捜査依頼を警視庁に行った。
そして土田部長刑事は池袋署の堀越警部と連絡をとった。