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　高田が帰ってから堀越警部と長谷川部長刑事と鳥羽署の土田部長刑事はさらに打ち合わせをするのだった。

「鳥羽の事件に関していえば、どうして詐欺グループが高田さんの情報を知りえたか、疑問ですね。一人住まいだということはすぐにわかるでしょうが、高田さんが学校の 懇親会の会計をしてるなんか、そう簡単にはわからないでしょう」
「そうだな、そう言う意味では朝見さんの話は実に的確だ」
「じつは、朝見さんなら私もよく知ってます。以前、鳥羽の財閥の後継者の件で少し関わったことがあります。でも、今後、どうしたらいいでしょう」
「そうだな、高田さんの身辺を少し探ってみよう。近くの派出所から、高田さんの確認を毎日させよう。懇親会の件をどのくらいの人間が知っているか、探ってみる必要があるな。土田さん、鳥羽での事件の背景を鳥羽でも再度、調査してくれませんか。東京でのことはうちで調べます。高田さんには内密にして。頼むぜ、長谷川君」

　詐欺グループの受け子の話から判明したことは少なかった。辛うじて、高田の母親の件、高田の件がかろうじて手がかりの一環となる。
　そう考えた池袋署の堀越警部と鳥羽署の土田部長刑事だった。
　これが事件解決の糸口になったらいいのだが。

　そう念願しながら、会議は終わり、土田部長刑事は三重へ帰った。 

　堀越警部はさて、どうするか、じっと考え込むのだった。
　しかし、捜査はスムーズにはいかず、この件はどうしようもなくなったのだった。