朝見充彦事件簿(7)
白鳥が飛び立つ

                 

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アンコールワット 三日目 

 この日は10時まで自由行動だ。6時過ぎ、一人で市内散策に出かける。市内を歩いて地元の生活を眺めるのが旅の楽しみの一つなのだ。夜は街灯もなく暗いので危険だが昼間なら安心だ。ガイドさんからも治安は大丈夫と聞いている。ここの住人は朝が早い。

 確かにこのくらいの時間は意外と涼しく過ごしやすい。
ホテルの前から近くの公園(シアヌーク公園?)まで行く。道は汚い、汚れ放題だ。埃がすごい。
 幹線は一応舗装されているが支線は未舗装だ。バイクで出勤する大変な人数。三人乗りは平均。たまに四人乗り。
最高は五人乗りを見る。

 トラックには鈴なりの人間。みな出勤の人らしい。
といってもホテルの前の空き地では、朝からバレーボールに興じている。どうやら仕事がない人が多いのだ。バイクにしろ、トラックにしろタイヤがパンクしなければ何人を乗せてもかまわないのだ。
 おまけに70CC以下のバイクには免許は不要とのこと。
 車の登録制度も不備で近くのある消防警察の車庫にもナンバーのない消防車があったくらい。シアヌーク公園近くに由緒ある寺院があった。きれいだった。
そばの露店で鳥かごに入ったスズメを売っている。
どうやら焼き鳥になる運命らしい。工事中のビルを見かける。細い柱と数本の細い鉄筋。見るだけで怖くなる。
これじゃ地震があったら最後か。

 それでも鉄筋があるだけましだ。
6:40、いったんホテルに戻る。 

 続く