エピローグ

　事件が解決してほっとした朝見だった。でも、まだやることがある。
　Ｈトラベルへ行く。社長へ事件の解決を報告した。
「社長、事件は解決しましたよ。九州ツアーの一人が犯人でした。もう、心配ないです」
「朝見さん、警察から聞きました。ありがとう。それから二件の事件とも当社に責任がないことが判明して、保険が降りることになりました。ティオマンでの保険の半分は玉木さんにお渡ししようと思います。連絡願えますか」
「わかりました。会いに行きましょう」 

　翌日、帝国ホテルの喫茶で玉木夫妻にあった朝見だった。
「ティオマン島の事件は解決しました。犯人はリゾートのレストランでバイトしていた日本人です。娘さんも浮かばれるでしょう。それからＨトラベルにおりる保険金は半分、玉木さんに送られるようです。うけとってやってください」
「ありがとう、朝見さん。ここまでやってくれるとは、予想もしていませんでした。ありがとうございます。娘も浮かばれるでしょう」
　涙を流さんばかりに嬉しそうな玉木夫妻だった。 

　これで朝見の役目はすべて終了した。
　ホッとする浅見だった。
　こんど、機会を見計らってティオマン島へもう一度行こう。
　総督にもお礼を言わなくちゃ。
　そう、決心した朝見だった。