第四章　　　事件解決へ 

　翌日、朝見は赤羽署へ行った。毛利部長刑事と岡部警視に会って、自分の推理を話すのだった。「毛利さん、面白い資料が手に入りました。ちょっと聞いてください」
　そして自分の考えを詳細に語ったのだった。　

　資料はマレーシアの総督から頂いたものです。
　この事件の遠い要因はマレーシア・ティオマン島での事故にあるに違いないと思います。ポイントを握るのはこのアルバイトの日本人じゃないかな。現地できっと顔を合わせていたに違いないと思います。
　この前の九州ツアーの客の中にいるかもしれないです。そこでティオマンの件に気がついたのだろうと思います。
　九州ツアーの客とこのティオマン島の日本人ときっとつながりがありますよ。
もう一度詳しく捜査したらいかがですか。 

　話を聞いた岡部と毛利はびっくりした。そういえば客の中に　名前は加藤博、三十一歳。東京、北区の住人がいたのを思い出した。
「ありがとう、朝見さん。九州ツアーの客の中に同姓・同名の客がいますよ。さっそく調べてみます。ありがとう、でも、よくこんな情報が手に入りましたね」
「いや、この前、ティオマン島でのルポの時に、現地の総督に会ったんです。トップ直々の再調査だったんで、現地の警察も本腰を入れてくれたんでしょう」