朝見充彦事件簿(6)
赤道直下の楽園

                 

 (07)

                 二日目 ティオマン島へ

 朝早く目覚めた朝見は、早めの朝食をとってホテルの周囲を散策した。
 道路は整備されていて新しい車がたくさん走っている。以前、テレビ等で見たジャカルタの市街地の様子からマレーシアを想像していたがまったく違う。周囲は緑が多いし、掃除が行き届いて裏手の街並も結構整備されている。強大な権力を誇るマハティール首相の力かなと想像する。
 近くには大きな池がある。朝から散歩する人、魚を釣ったりしている人がいる。
しかし、さすがは熱帯の国、小一時間散策したが、汗びっしょりになり、ほうほうの体でホテルへ避難する。 

 道すがらは椰子の木が茂り、熱帯の花が咲き誇り、すばらしいと感じた。ただ、歩行者用の信号が無い、横断歩道が無い、道を渡るのに慣れないと怖かった。公園の中にはヤシの実が落ちていたり、赤い小さなバナナが実をつけていたりしている。いいね、この付近は。クアラルンプールのど真ん中のホテルよりいいかも。

 喫茶室でしばらく休んでいると、皆がやって来た。

 続く