第八章　　　エピローグ

　事件がすっかり解決した。
　天城峠の妖精、桜田美和は悩みがなくなり、芸能活動に誠心誠意、取り組むのだった。そして、大きく飛躍して、押しも押されぬ若手タレントとしての名声を高めるのだった。　

　一方、朝見は桜田に感謝され、読日新聞からはスクープの礼を言われ、三都県の捜査員からも感謝され、面目を施したのだった。

　しかし、朝見の心は何か落ちつかなかった。
　一体、自分は何をしたんだろう。確かに事件の解決には一役買ったが、それが何だったんだ。
　なにか、落ち着かない日々を過ごすのだった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　天城峠の妖精　完

　やっと五作目の話がまとまった。この作品はまとめるのに苦労した。主人公が芸能タレントという悪丸君にとって最も苦手な分野だったせいかもしれない。
　まあ、しかし、世の中の小説家という人種はすごいね。よく書くネ。いったいどういう頭の構造をしてるんだろうね。

　これまですべて短編だ。しかし、長編って難しいね。あまり書きすぎると、なんか話がピリッとせず、だらだらしてしまいそうだよ。
　しばらく休んで「南海の楽園」を掲載します。お楽しみを