第七章　　事件解決へ

　朝見から、島崎から黄金崎の事故の件、消費者金融Ｈ社の話、小沢の自宅から発見された写真の件、すべてが一本につながったのを聞いた堀越が言った。
「静岡県警、千葉県警、警視庁と三都県が絡んできたら、私には手に負えません。そうですね、とりあえず警視庁に相談してみましょう。朝見さんも知ってますね、捜査一課の岡部警視を。とり合えず連絡してみます。それからまた朝見さんに連絡します」

　そう聞いて、引き下がらずを得ない浅見だった。

　帰宅した朝見は、夜遅く帰ってきた兄に相談するのだった。
「兄さん、実はややこしい事件が起きてまして。静岡、千葉県警と警視庁が絡む事件なんですよ。どうしたらいいでしょう？」
　朝見から話を聞いた兄は、
「うん、検察としてはちょっと難しいな。よし、警察庁に知り合いがいる。刑事局長とは知り合いだ。あす、相談してみよう。でも、充彦、あまり深入りするなよ」

　翌日、夕方、堀越警部から電話があった。

「朝見さん、うまくいきそうですよ。明日、静岡県警と千葉県警と警視庁が合同捜査に入るようです。警視庁からは岡部警視とわたしが出席します。場所は警視庁で。朝見さんも出席してください。まず、午後一時に池袋署へ来てください。そこで岡部警視と合流して、本庁へ向かいましょう」
「え、ぼくもですか？」
「そうですよ。岡部警視の強い要請です。お待ちしていますよ」