読日新聞からの帰り道、携帯が鳴った。
　道端に車を止めて携帯をひらいた。電話は堀越警部からだった。
「あ、朝見さん、車の件、わかりましたよ。来てもらえますか？」
「ありがとう。すぐ行きます」
　池袋署へ行った朝見は車の所有者の資料を手に入れた。
　消費者金融Ｈ社の社員、安住という男の車だった。
車の件を聞いた浅見は吃驚した。そうか、消費者金融Ｈ社の関係者の車か。
　さっき、島崎から黄金崎の事故の件、消費者金融Ｈ社の話、小沢の自宅から発見された写真の件、すべてが一本につながったのだ。
　資料を説明しながら堀越警部が言った。
「朝見さん、このＨ社ってのはあまり評判がよくないですよ。なんか金利を吊り上げて荒稼ぎしているみたいですよ。なんならちょっと調べてみましょうか？」
「そうですね。お願いします」