翌日、朝見はソアラで出発した。

　朝見の住んでいる北区から前橋のグリーンドームまでは高速道路を使って一時間四十分だ。いつもの長距離にくらべれば近いね。
　とりあえず市役所の観光部局へ行く。
そこで前橋市の歴史や観光の資料を貰った。前橋っていえば、朝見の頭の中には厩橋という名が出てくる。織田信長が全国統一を果たすために武田氏を滅ぼした後、関東管領として派遣された滝川一益が、厩橋城を本拠地にして関東征服をたくらんだことが頭の隅に残っている。
　戦国時代は小田原氏の勢力範囲だったらしい。かの上泉伊勢守が支配した上泉城もこの近くらしい。
　また、伊勢守が修行した赤城山のふもとでした。
これくらいしか頭には残っていない。

　ところで、厩橋って何なのだろう。牛や馬がたくさん飼われていたのだろうか？
　資料によれば、「厩橋」の名は、現在利根川の流れているあたりに車川と称する流れがあり、そこにかかっていた橋を「駅家（うまや）の橋」と呼んだことから、自然に地名になったと伝えられている。
　また、東京にも厩橋があるらしい。
　東京の厩橋（うまやばし）は、隅田川にかかる橋で、東京都道４５３号本郷亀戸線（春日通り）を通す。西岸は台東区蔵前二丁目、および駒形二丁目を分かち、東岸は墨田区本所一丁目。 橋全体に馬を連想させるレリーフなどが施されている。橋名は西岸にあった「御厩河岸（蔵前の米蔵の荷駄馬用の厩）」にちなむ。 もともと元禄年間ごろから続いていた「御厩の渡し」のあった場所である。
　やはり、馬に関係あるのだ。