第四章　消費者金融をさぐるカメラマン

　　　　　１

　伊豆での写真撮影が終わって、写真等の資料をすべて《週間マンデー》に提出し、一段落した小沢は、黄金崎であったあの女のことを考えていた。
　あの女は消費者金融の社員だ。自分が資金を借りに行った時に対応してくれた女性だ。あの時、金利が高かったのをおぼえている。騙されたんだ、あの時。
　でも、その不祥事は発覚して、彼は余分に取られた返済金を返してもらっていた。
　でも、あんな女の子が一人でそんな悪事を働くとは思えない。
　きっと、裏で糸を引いた人間がいるに違いない。すこし、調べてみよう。

　そう決心した小沢は、静岡県の地方新聞を調べまくった。下田市の図書館で地元新聞を調べた小沢は、あの女は、まさに、小沢が会ったその日に、しかも、黄金崎で事故死していたことを知った。一人で黄金崎にやって来て、不祥事を苦にしての自殺だと新聞に載っていた。
　え、そんな馬鹿な！　じゃあ、後ろから追っていったあの男は何なのだ。
きっと裏があるに違いない。消費者金融会社の関係者か？
そうに違いない。
　そう、考えた小沢だった。