２

　金曜日の朝早く、朝見はソアラで出発した。修善寺駅までけっこう遠い。三島インターまで東名高速。そこから地道を行く。
それでも１０時前には修善寺駅に着いた。時間があったので、しばしうろうろして修善寺駅周辺の風景をカメラに収めるのだった。
　しばらく待っていると、小沢と桜田がやって来た。
「やあ、お待ちしてました。さあ、いきましょう。でも、今日の桜田さん、この前とは見違えるようですね。まさに、スーパーモデルですね」
　小沢が笑った。
「わかりましたか、私が推薦した理由が｣
「そんなの、いいじゃない、さあ、行きましょう」

　さあ、出発だ。

　まずは恋人岬。いいところだね。富士山が見える。こりゃ、いいや。ここでは恋人証明書を発行してくれるそうだ。
　恋人岬の名前の由来は、この地に伝わる『福太郎』と『およね』の恋愛伝説にある。
土肥の朝市で出会った福太郎とおよねですが、事情で遠く離れてしまいました。
ある日、愛しい福太郎を想うおよねの元に神様があらわれ、２つの鐘を渡しました。
２人が１つずつ鐘を持ちあい、福太郎が漁船で恋人岬の沖を通る際に、およねが岬に立ち、3回ずつ鐘を鳴らして愛を確かめ合ったのだそうです。

　なんだそうな。