翌日、《週間マンデー》へ行った浅見は、小沢カメラマンとモデルの女性にあった。
　小沢はまあ、けっこう名の売れたカメラマンで、朝見も名は知っていたが、会うのは初めてだった。

「小沢さん、縁あって一緒に仕事ができます。よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしく。わたしはカメラマンです。彼女の写真を撮ります。その他のルポ等についてはよくわからないので、すべてお任せします。よろしく」

　モデルの女の子は桜田美和と言った。十八歳だそうだ。
「桜田美和といいます。よろしくお願いします。わたし、タレントになりたくて、いろいろと勉強してるんです。小沢さんから話をいただいて、感謝しています。これがきっかけになったらいいんですけど」
　安倍社長が言う。
「いやいや、小沢君から聞いて素晴らしい人と思ってました。うちの雑誌できっと成功させますよ。うちとしてもよろしくね」
　彼女は小沢の事務所の近くのダンススクールに通っているらしい。そのほかにも歌の勉強をしたり、ダンスのレッスンにも通っているらしい。実に魅力的な娘だ。
「朝見です。よろしく。楽しいロケになるように頑張りましょう。ところで小沢さん、具体的にはどう行動しましょうか？」
「そうですね。今度の金曜日あたりでどうですか。写真に撮るにはできるだけ邪魔が入らない方がいいですから。平日のほうが空いてますからね。私は撮影の機材等がありますから車で行きたいのと、東京からはけっこう遠いので朝早くなりますが、１０頃、修善寺の駅前で待ち合わせしましょうか？　東京からだと二時間はかかりますけど。朝見さんはいいですか？　私は桜田さんをと一緒に行きます」
「いいですよ、じゃ、僕も車で行きます。今度の金曜日、１０時には修善寺駅の前で待ってます」
　それで、三人は分かれたのだった。