しばらくして、倉持警部補から連絡があった。付近の監視カメラをあたってくれたのだった。
その結果、　近藤と沢口の車が、野蒜築港記念館のところにいたこと。そこへ来たレンタカーから降りた人物が森田社長だったこと。森田社長のレンタカーを当ると、他人名義の免許証を提示したこと。その免許証は東京で盗まれたものだったことが判明した。

　朝見は免許証が盗まれた時のことを堀越警部に伝え、その盗難事件を調査してもらった。詳細は不明ながら、盗まれた時に、付近には森田社長がうろうろしていたことが監視カメラの調査で判った。

　これで、森田社長を任意で捜査する理由がはっきりしたのだ。

　堀越警部の調査で、奥田が事故死したころから、森田社長と近藤が頻繁に会っていたことも分った。奥田の事故死の時には、森田社長は東京にいたが、近藤は高松にいたのだ。

　これは香川県警の大原警部の調査で判明した。彼は奥田と栗林公園をうろついていたのが監視カメラに写っていた。

　これで三人の関係がはっきりした。中心にいたのは沢口だった。

　これらの事実から奥田の事件が急転直下、解決に向かったのだった。

　任意で池袋署に呼ばれた森田と近藤は、これらの事実を突きつけられて、奥田の事件について自供した。沢口との不倫をネタに恐喝されていたのだった。

　そして事件は決着したのだった。