神田は目を潤ませていった。
「ありがとう、朝見さん。そんなこともあろうかと、森田社長と沢口さんの写っている写真を持って来ています。近藤さんのは判りませんが」
　そう言って、道後温泉の集合写真を出すのであった。
「近藤さんのは仙台支局で手に入れましょう。鳴瀬署にデータがあるはずですから。担当者を走らせましょう」
「じゃ、僕は、近いうちに現地に行きます。うまくいくかどうかわかりませんが。島崎さん、調査した結果はお知らせします。取材費をよろしく」

　その帰り、朝見は池袋署へ寄り、堀越警部にあって、事情を説明した。
「そういうことがあったんですか。わかりました、もう一度森田社長と芸能プロＧとの関係を洗いましょう。多分、森田社長と奥田氏と近藤氏と沢口女史のあいだになにかあったんでしょうね 香川県警にもこちらから連絡しておきます。宮城県警へは本庁の岡部さんを通じて連絡しておきましょう。」

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　翌日、朝見は仙台へ向かった。新幹線で仙台へ、そこから読日新聞の支局へ向かった。そして島崎からの紹介で会った支局の記者に事情を説明した。
そこから県警本部へと行った。
　受付で、
「こんにちは、捜査一課の倉持警部補にお会いしたいんですが。いらっしゃtるでしょうか」
　運よく倉持は在籍していた。
「やあ、朝見さん、その節はお世話になりました。大体の話は警視庁の岡部さんから聞きました。詳細は朝見さんに聞くようにとのことでした。今日は何ですか」
「倉持さん、少しお願いがあってきました。多分、事件ともいえないことなので県警本部には上がっていないでしょうが、野蒜築港で少しトラブルがあったんです。これが、四国の事件と結びついているようなので、捜査をしていただきたくて来ました。少し話をさせていただきたいんですが」
「いいですよ。朝見さんのお話なら、聞く価値はあるでしょう。じゃ、こちらへ」
　応接室にいって話すのだった。

「……という事情なんですよ。そこで野蒜築港か、松島か、仙台あたりで森田さんが見かけられなかったか、調べてほしいんです。事件の中心にはきっと彼がいるはずです。これが彼の写真です」
「うーん、なるほど。朝見さんのおっしゃりたいことは分かります。しかし、実際に何もこちらで起きていないんですから、公式な捜査は難しいですね。よし、野蒜築港でしたね、鳴瀬署の前田君にいって、非公式に調査させましょう。勿論、仙台の件は私が調べますよ。朝見さん、鳴瀬署の前田君、おぼえてらっしゃいますよね。今から鳴瀬署へ行きましょう」
「もちろん、よく覚えています。ありがとうございます」

　朝見は倉持警部補と鳴瀬署に向かった。そして前田刑事と会い、調査を依頼するのだった。