二日後、読日新聞社の本社へ行った神田だった。島崎は時間を割いてくれた。
　神田は自分が疑問に思っていることをすべて話した。
　じっと聞いた島崎は、うなづいた。

「そうか、お宅の奥田君の事故と、東北での沢口さんのことか。うちも詳細は分からない。でも、君の疑問ももっともだな。何か事情があるに違いない。調べてみる価値はありそうだ。そうだ、よし、朝見さんを紹介しよう。ルポライターをしながら探偵をやっている朝見さんだ。かれなら、いい知恵を出してくれるだろう」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」

　　　　　＊

　四国のルポから帰って、原稿を提出した後だ。
　ひまだなあ、なんかないかなあ、どこへ行こう。日本紀行が買ってくれるようなルポをどこへ行って書こうか？
　少し悩んでいた朝見のもとへ島崎から電話が入った。
「朝見さん、島崎です。ちょっとお会いしたいんですが。お時間はいいでしょうか。紹介したい人がいるんです。なんか事件のことで悩んでられるみたいなんです。あってお話を聞いてやってもらえませんか」
「ああ、そうですか。ちょうど今、暇なんですよ。いつでもいいですよ。でも、どんなお話ですか？?」
「きっと興味を引かれると思いますよ。詳しいことはお会いしてから。じゃ、明日、うちへきていただけませんか？　お待ちしていますよ」