「ああ、そうなんですか。いや、申しわけないが、わかりません。真にも気がつきませんでした。僕はその夜に四万十川から車でやって来て、ああ、ここが玉藻公園か、あす、見学に行こうとうろうろしてたんですよ」
「そうなんですか、わかりました。朝見さんが関係ないとわかればいいんです。われわれはこれから池袋警察署に行きます。県警から警視庁を通じて依頼してますんで。死んだ男の会社を少し調べたいんでね」
「池袋署ですか、あそこには知合いの堀越警部がいます。わたしもよく知ってます。なんでしたら、一緒に行きましょう」

　四人はそれから池袋警察署へ行き、堀越警部にあった。
　事情を聴いた堀越警部は男の会社の実情を調べてくれると約束してくれた。

　池袋署ではイベント会社・アース企画の実情をさぐった。しかし、経営状態に不審な点はなく、とくに変なことはなかった。普通の会社だったのだ。社員は十人だったが、それなりに順調な経営だった。税務上にも異常はなく、社内の雰囲気も悪くはないのだった。
　結果を知らされた香川県警は事件を自殺として処理したのだった。