朝見はさらに少し近くを散策した。
　少し歩くと小浜神社だ。ここは小浜藩の城跡なんだって。いい感じの神社だね。
　京極高次が築城し、その後、酒井忠勝の居城となって明治まで続いた城だ。現在は石垣が残るだけ。本丸跡には酒井公を祭る小浜神社が立っている。
　神社をうろつく。
　いい感じの城跡だね。
　お、もう十一時前だ。
　あまり遅くなっても次のルポができないよ。
　朝見は小浜を切り上げて、ここから熊川宿へと向かった。 

＊ 

　熊川宿へは車で２０分くらいの距離だ。
　熊川宿は、若桜街道の途中にある。「若狭街道」は、大陸文化の玄関としての小浜から若狭町（旧上中町）の日笠を通り、熊川を経て、滋賀県高島市朽木（旧朽木村）を越え、大原八瀬より京都への道を言うのだ。

　十一時半頃、熊川宿についた。いいね、この宿場は。

　熊川宿は名称「若狭町熊川宿伝統的建造物群保存地区」として国重要伝統的建造物群保存地区に選定されているのだけのことはある。
　駐車場の隣にお土産屋さんと食事処がある。観光バスも止まっている。道の駅若狭熊川宿の横の路地を抜けていくと、熊川宿の標識がある。その横が番所だ。番所は再現されて人形が飾ってある。その先が熊川宿の街道だ。ここはよく整備されてある。
　しばらく行くと、お、民家の軒下の花に蝶がとまっている。蝶が迎えてくれてるよ。いいね。
　右手には大きな岩がある。なんだい、この大きな岩は。何にも表示がないけど。
　さらに歩いていると左手の山に向かって小道がある。
奥に灯篭があるよ。やあ、ここは白石神社だ。石段を登る。いいね。なんだい、この木のこぶは。古いね。神社もいい。いい気持ちになる。
　白石神社は熊川地区の氏神であり旧指定村社で、祭神は、彦火々出見尊、白鬚明神、小浜藩主酒井忠勝公、山の神が合祀されているということだ。