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　二人は、五郎岳公園を肩を寄せ合って、ゆっくり散歩してから、有名な赤レンガ倉庫へと向かった。舞鶴と言えばやはり赤レンガ倉庫だろう。赤レンガ博物館近くに駐車し、ここから赤レンガ倉庫を目指して歩く。
　目の前は海だ。前方には海上自衛隊のミサイル艇「はやぶさ」が停泊している。実に印象的だ。いいね、この風景は。
そう、舞鶴はかっての軍港。いまは海上自衛隊の基地と海上保安庁の基地があるのだ。
　博物館のまえの岸壁を歩き、市役所の横を歩いて赤レンガ倉庫に行った。とにかく歩こうか。
　いい雰囲気だね。ツタの絡んだ赤レンガ倉庫だ。映画のロケにも使われるんだって。以前、横浜で赤れんが倉庫を見たけど、ここのほうがスケールがでかいね。
　赤レンガ倉庫をのんびり散策して停めてあった車まで戻る。市役所のなかを突っ切って歩く。
　まあ、赤レンガ倉庫、こんなものか。でもいいね、この倉庫群は。横浜のレンガ倉庫もいいが、舞鶴のもいいよ。

　そして、舞鶴、ここは明智光秀の盟友、細川氏のゆかりの地なのだ。田辺城址がある。ここは細川幽斉が、石田方の軍勢を迎え討った城だ。関ヶ原の戦いの少し前らしい。
　いまじゃ天守閣などはなく、櫓が復元されているのみだ。城壁の上に上ると、目の前の庭園がいいんだって。ここは市民の憩いの場になってるようだ。
　行ってみたい気もしたがあまり時間がない。まあ、今日は諦めよう。

　それから、二人は、引揚げ記念館へ回った。
　ここは「岸壁の母」の歌とともに全国に知られる引き揚げの街、舞鶴なのだ。昭和６３年に「引揚記念館」が完成し、展示されている多くの貴重な資料は、訪れる人々に平和の尊さを語りかけている。
　自分の祖父の苦労を思い出させる記念館だった。本多は展示品を見ながら、自分の祖父の苦労をじっくりかみしめ、美樹はそんな彼を労わるのだった。