白石城、最近復元された城だ。天守閣に登るには入場料が必要。まあ、近くまで行ってみよう。いいね、庭は。大きな片倉小十郎の碑がある。何でこんなに大きいの。神明社にきた。ここは白石の鎮守さんらしい。覗いてみる。なかなかいいね。

　ここから厩門を下ると、目の前のロータリーがいいね。大きな常夜灯と松の木がいい。案内に従って武家屋敷へ行く。武家屋敷と言ってもなんか違う。一軒だけ。普通、武家屋敷と言ったら何軒か連なってるんじゃないの。ここへ来るまでそれらしいのは見なかった。白石ではここの一軒しか残っていないのか？
　目の前の掘割の水はきれいだ。まあ、何ともいえない静かなたたずまいだね。
　白石城下、いい街だった。堪能して仙台へ戻る。 

　翌日、河野と一緒に亀岡文殊へと行ったのだ。
　日中ダムですっかり眠りこんだ河野に静かに語りかけるのだった。

　これで河野氏の件はすっかり終わった。自分たちにそれとなく情報の匂いをかがせてくれた河野に、麻生は少しだけ憐憫の情を持っていたのだ。
　ここから亀岡文殊へ向かい、寝込んだ河野氏を静かに寝かせ、石井は会津若松へと向かった。街中のビジネスで一夜を明かした石井は、翌日、鶴ケ城へ行く。天守閣の前の広場、緑の芝生と青い松、いい感じだね。ウロウロしているうちに「荒城の月碑」があった。あの有名な荒城の月はこの城と青葉城がモチーフになったんだって。へえ、豊後竹田じゃないのか？
　会津藩は昔、京都守護職で京都を守ったんだよ。京都には当時の会津藩士たちの墓地がある。
　さっそく飯盛山に登る。お、動く歩道がある。２００円払って動く歩道で山頂へ行く。楽チンだね。歩道を降りてうろうろする。鶴ケ城を見下ろす位置に白虎隊の墓があった。子供のような隊士が鶴ケ城を望んでいる。官軍の攻撃を受けて、ここまで逃れてきて、ここで自刃したのか。悲哀だね。
　あれ、さざえ堂がある。通路がサザエのように回っていて登りと下りでは一緒にならないんだって。へえ、珍しいね。
　しばらく休憩して次は野口英世記念館へ向かった。野口英世、子供の頃よく聞かされた話だ。一番よく聞いた偉人じゃないかな。小さい頃、やけどで指が動かなくなって、その手術を受けて医学に目覚めた偉人だ。生家も残っている。
　なかなか良かった。
　会津若松を堪能して、石井は東京へもどったのだった。